アレルギー炎症と好酸球 : IL-5の関与とその謎

  • 高津 聖志
    東京大学医科学研究所感染 免疫部門免疫調節分野

書誌事項

タイトル別名
  • ALLERGIC INFLAMMATION AND EOSINOPHILS : TRIALS, TRIBULATIONS AND ENIGMA OF IL-5, EOSINOPHILS AND ASTHMA
  • アレルギー エンショウ ト コウサンキュウ IL 5 ノ カンヨ ト ソノ ナゾ

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抄録

アレルギー炎症と好酸球 喘息患者の気管支粘膜にアレルゲンを暴露すると, 即発性(IAR)の気管支収縮と遅発性(LAR)の気道障害からなる2相性の応答がみられる. LARでは肺胞内への好酸球浸潤が惹起され, 末梢血, 気管支粘膜内や肺胞内に好酸球が浸潤し気道過敏性の亢進がみられる. 好酸球顆粒由来の蛋白質(MBP, EPO, ECP)は脱顆粒により放出され気道粘膜を損傷し気道過敏性を亢進する. 好酸球由来のLTC4, PAF, 活性酸素なども気管支収縮, 気道過敏性を惹起する. 1970年代にサイトカインが免疫応答やアレルギー炎症に関与する細胞の増殖や分化を促進することが明らかとなり, 1980年代に喘息等のアレルギー性炎症局所への好酸球浸潤が病態の重篤度と相関するとの報告が相次いだ. 結果として, 好酸球の産生や炎症局所への遊走に関与するサイトカインの研究が活発化し, 好酸球コロニー形成因子(Eos-CSF)の探索やアレルギー性炎症における好酸球誘導因子発見への期待が高まった. Sandersonらは好酸球分化因子(eosinophil differentiation factor, EDF)が活性化B細胞の増殖を惹起することを報告した.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 54 (2), 48-52, 2005

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (39)*注記

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