卵殻未焼成カルシウムのアレルゲン性について

  • 海老澤 元宏
    (独)国立病院機構相模原病院小児科:(独)国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
  • 田知本 寛
    (独)国立病院機構相模原病院小児科
  • 池松 かおり
    (独)国立病院機構相模原病院小児科
  • 杉崎 千鶴子
    (独)国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
  • 増田 泰伸
    キューピー株式会社研究所
  • 木村 守
    キューピー株式会社研究所

書誌事項

タイトル別名
  • ALLERGENIC ACTIVITY OF NON-CALCINATED EGG SHELL CALCIUM
  • ランカク ミショウセイ カルシウム ノ アレルゲンセイ ニ ツイテ

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抄録

【背景, 目的】卵殻カルシウムの卵としてのアレルゲン性についての検討はほとんどされていない. 卵殻カルシウムの中でも未焼成カルシウムのアレルゲン性については明確になっておらず, エビデンスがないということによりアレルギー表示の対象となっている. 【方法】市販の卵殻未焼成カルシウムのアレルゲン性について, 電気泳動法(SDS-PAGE), ウエスタンブロット法, inhibition ELISA法およびsandwich ELISA法, さらには, 卵アレルギー児に対する経口負荷試験を実施し検討した. 【結果】SDS-PAGE, ウエスタンブロット法およびinhibition ELISA法により, 未焼成カルシウムの卵としてのアレルゲン性は焼成カルシウムと同等であることが確認された. また, sandwich ELISA法でも未焼成カルシウムのアレルゲン性は低いことが確認された. さらに, 卵白に対し強い即時型反応を認めた卵アレルギー児への卵殻未焼成カルシウムによる経口負荷試験においても6例すべて陰性であった. 【結語】卵殻未焼成カルシウムは卵のアレルゲンの混入がほとんど認められず, また, 卵としてのアレルゲン性も低いことから, そのアレルゲン性を過度に危惧する必要はないものと考えられた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 54 (5), 471-477, 2005

    一般社団法人 日本アレルギー学会

参考文献 (10)*注記

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