空気伝導による超音波がヒトの脳波に与える影響

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  • EFFECTS OF INAUDIBLE HIGH-FREQUENCY SOUNDS ON SPONTANEOUS ELECTROENCEPHALOGRAM

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抄録

ヒトの聴覚の可聴域は、ISO規格では20Hz-20,000Hzとされている。一般的に可聴域の上限(20kHz)を超える高周波数の音は超音波と定義されている。可聴域上限を超える超音波はイルカやこうもり等の生物では重要な情報の伝達や獲得に使われている。気温や光等の物理刺激に対する感受性を数多く有することは環境適応へ有利に働くであろう。ヒトは可聴域上の聞こえないとされる超音波に対して何らかの感受性を有するのであろうか。超音波は潮騒や風の音の中にも含まれるばかりがオフィス内の種々の電化製品からも発生している。超音波がヒトの生理反応にどのような影響を与えるのかを探ることはヒトの環境適応能を探る上でも、また快適なオフィス空間を構築する上でも重要である。超音波に関する生理的研究はMEDLINEなどのデータベースを用いて検索したが、骨伝導による超音波の影響を除くと、大橋らの研究以外は見当たらない。大橋(1997)は、超音波成分を多く含むガムラン音楽を用いて、超音波成分が人体に与える影響を研究した。その結果、ガムラン音楽を呈示することにより、閉眼時において脳波のα波が主に後頭部に増加したことから、超音波を含む音は人間にリラックス効果をもたらすと報告した。

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