膵併存癌 (duct-acinar cell carcinoma) の1切除例

  • 阪井 満
    名古屋大学医学部大学院医学系研究科病態制御外科学
  • 竹田 伸
    名古屋大学医学部大学院医学系研究科病態制御外科学
  • 石川 忠雄
    名古屋大学医学部大学院医学系研究科病態制御外科学
  • 金住 直人
    名古屋大学医学部大学院医学系研究科病態制御外科学
  • 井上 総一郎
    名古屋大学医学部大学院医学系研究科病態制御外科学
  • 金子 哲也
    名古屋大学医学部大学院医学系研究科病態制御外科学
  • 中尾 昭公
    名古屋大学医学部大学院医学系研究科病態制御外科学
  • 長坂 徹郎
    名古屋大学医学部病理

書誌事項

タイトル別名
  • Mixed Duct-Acinar Cell Carcinoma of the Pancreas : Report of a Case

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抄録

膵管癌, 腺房細胞癌あるいは島細胞癌が混在する膵併存癌はまれであり, その報告は極めて少ない.今回, 我々は膵管癌と腺房細胞癌の混在するmixed duct-acinar cell carcinomaの1切除例を経験したので報告する.症例は63歳の男性で, 糖尿病のため近医通院中, 血糖コントロールの悪化があり, 精査にて膵頭部癌と診断され当科紹介となった.腹部CTでは膵頭部に3.5cm大の境界不明瞭かつhypovascularな腫瘍を認めた.腹部血管撮影では門脈へ直接合流する回結腸静脈にencasementが認められた.ERCPでは膵頭部領域における主膵管の途絶が認められた.CEAは軽度上昇, CA19-9は正常であった.以上より, 膵頭部癌の診断の下, 回結腸静脈合併膵頭十二指腸切除術および術中照射を施行した.摘出標本では, 膵頭部に浸潤傾向の強い充実性腫瘍を認めた.病理組織および免疫組織学的検討により, 中分化型管状腺癌と腺房細胞癌の併存癌と診断された.

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参考文献 (21)*注記

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