術前放射線同時併用化学療法(CCRT)によって切除しえた肺尖部胸壁浸潤癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of apical invasive lung cancer resection receiving concurrent chemoradiotherapy as an induction therapy

この論文をさがす

抄録

症例は45歳, 男性. 左肩部および背部痛を自覚し, 前医受診. 胸部レントゲン上異常影を指摘され, 当院内科紹介となった. 胸部CTで左上葉S1+2に径35×25mm大の腫瘤を認め, 同部位よりの気管支鏡下擦過細胞診にて腺癌と診断された. CT上, 左鎖骨下動静脈, 左鎖骨, 左第一肋骨に浸潤が疑われた. cisplatin, vindesineによる化学療法2クール, 原発巣・縦隔リンパ節に放射線を40Gy/20Fr照射を施行し, 62%の縮小を認めた. その後, 当科にて左肺上葉切除, 左椎骨動脈切断, 左鎖骨・第1肋骨部分切除, 人工血管による左鎖骨下動静脈再建, 自家腱移植による鎖骨の固定, コンポジックスメッシュ®による胸壁再建を施行した. 病理組織所見では腫瘍は広範囲に壊死を来し, 合併切除された動静脈, 骨にもviableな細胞は認められなかった. 術後2年2ヵ月を経過した現在まで再発を認めていない.

収録刊行物

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ