872. 新潟県上越地方の新第三系産 Calyptogena pacifica Dall について

書誌事項

タイトル別名
  • 872. CALYPTOGENA (CALYPTOGENA) PACIFICA DALL (BIVALVIA) FROM THE NEOGENE SYSTEM IN THE JOETSU DISTRICT, NIIGATA PREFECTURE
  • 新潟県上越地方の新第3系産Calyptoqena Pacifica Dallについて〔英文〕
  • ニイガタケン ジョウエツ チホウ ノ シンダイ3ケイサン Calyptoqen

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抄録

Calyptogena pacifica Dallは北米やアラスカの太平洋岸やオホーツク海に現生するが, 化石としてはカリフォルニヤ南部の鮮新統, 秋田県男鹿半島および北海道望来付近の鮮新~中新統から知られている。このたび上越地方の上部中新~鮮新統から多数の本種を採集したので, その産状や形態について検討した。本種はタービタイト様の泥岩中の石灰質団塊(径5~10cm)中に密集して産出することが多い。これらの標本は模式標本や北海道産のものに較べ形が小さい。本種は密集する種個体群の大小とそれを構成する各個体の大きさには関連があるように見える。すなわち, 大きな種個体群中の最大個体は小さな種個体群の最大個体よりも大きい。これは本種の生息環境によるものと推定される。本属はhot ventやcold vent付近に生息し, 無機栄養によって生活していることが判明してきた。この観点にたてば化石Calyptogenaの個体群集の存在はこれを含有する地層の堆積環境を示唆する有力な手がかりを与えるものと云える。本種は成長の過程で〓歯の形体や殼の形が変化する。すなわち, 幼時の〓歯には前後側歯が存在するもののようであるが, 成長するにつれてこれらが消失し, 幼時には不明瞭だった中央主歯が明らかになる。また, 成長するにつれて殼は前後に長くなり, 殼頂は前方に位置するようになる。

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