2パス変換システムによるプリプロセッサ生成機の実現

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抄録

本論文では構文マクロを利用した2パスのプリプロセッサ生成機システムについて述べる.構文マクロの利用においては構文を利用するが,入力のすべての構文を解析するのは無駄であるので,変換の必要のない構文を構成する記号例を1つのトークンとみなし,otherトークンと呼ぶ.語いレベルでotherトークンかマクロ記号かを決定し,以降の解析を行う.すなわち変換の必要のない記号例はotherと呼ばれる1つのトークンとみなす.この方法によりマクロの定義は容易になりまた作成されるプリプロセッサの速度も向上する.マクロの定義はマクロ記号と特別のotherトークンを定義する語い定義,構文およびそれに対応する解析木を定義する構文定義,その解析木に対してマクロ本体を定義する意味定義の3つより成る.システムは各定義を処理してマクロ定義表を作成するプリプソセッサ生成機と,その表によって駆動される核プリプロセッサより成る.プリプロセッサは2パスであり,弱順位文法に基づくパーザと,ユーザの定義した形式の解析木を出力プログラムへ変換するトランスフォーマの2つより成る.システムはすべて構造化Fortran RATFOR-Rで記述されている.

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情報処理学会論文誌. 22(4):376-382 (1981)

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