最早実行可能条件解析を用いたキャッシュ利用の最適化

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タイトル別名
  • A Cache Optimization with Earliest Executable Condition Analysis

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抄録

従来のコンパイラによる単一プロセッサ用キャッシュ最適化は個々のループを対象としているため、プログラム全体に比べると局所的な最適化が多く、プログラム全域を対象としたキャッシュ最適化は行われていない。そこで本稿では、最早実行可能条件解析を利用した単一プロセッサ上でのFORTRANプログラムのキャッシュ最適化手法を提案する。OSCAR FORTRANマルチグレイン自動並列化コンパイラは、FORTRANプログラムをループ・サブルーチン・基本ブロックの3種のマクロタスク(MT)に分割し、各MTに最早実行可能条件解析を行いマクロタグスクラフ(MTG)を生成する。MTGは制御依存及びデータ依存に基づくMT間の実行順序制約、及びMT間で授受されるデータに関する情報を表現する。本手法ではこのMTGを用いて、先行MTによってアクセスされたデータにアクセスする後続MTが先行MTの直後に実行されるよう大域的なコード移動を行い、キャッシュヒット率を向上させる。本手法は、OSCAR FORTRANマルチグレイン自動並列化コンパイラ中に、最適化された逐次型FORTRANを出力するプリプロセッサ機能として実現されている。CG法プログラムを用いた本キャッシュ最適化手法の性能評価結果を行ったところ167Mz UltraSPARC上で最高62%の速度向上が得られた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1571135652062966400
  • NII論文ID
    110002775529
  • NII書誌ID
    AN10096105
  • ISSN
    09196072
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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