末梢空洞性病変の診断に対する極細径気管支鏡の有用性

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タイトル別名
  • The Ultra-Fine Fiberoptic Bronchoscope as A Diagnostic Tool in Pulmonary Peripheral Cavitary Lesions

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抄録

極細径気管支鏡OLYMPUS社製BF-XP40を用いて15例の末梢性肺野型空洞性病変の内腔の性状を観察し得た.内腔壁の直視下観察性状からこれらの空洞性病変を2種の類型,赤色空洞(空洞壁に壊死性変化を伴わず空洞壁の可視範囲全体が赤色調である例)と,壊死性空洞(空洞壁全体が白苔や壊死物質に覆われるか,壁の一部に発赤を認めても白苔や壊死物質の付着が著明な例)とに分類し得た.赤色空洞例は比較的急性の臨床経過を示し,drainage bron-chusの浮腫性変化を伴っている可能性が考えられた.また癌性赤色空洞例では,チェックバルブ機構の関与や,嚢胞性変化を起こす腫瘍固有の性質などが空洞の成因となっている可能性も示唆され,空洞性病変の確定診断目的だけではなく病因の推定にも極細径気管支鏡は有用であると考えられた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 24 (4), 302-308, 2002

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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