気管支鏡下肺生検で診断しえた肺ムーコル症の3例

書誌事項

タイトル別名
  • Three Cases of Pulmonary Mucormycosis that were Diagnosed by Transbronchial Lung Biopsy

この論文をさがす

抄録

気管支鏡下肺生検で診断しえた肺ムーコル症3例を経験した。症例1は生来健康な53歳男性で, 抗生剤無効の空洞を伴う浸潤影のため入院。気管支鏡検査で基礎疾患を有しない肺ムーコル症と診断し, 抗真菌剤の投与で症状, 陰影の改善をみた。症例2は55歳男性。急性骨髄性白血病の治療中に, 空洞を伴う浸潤影が出現。気管支鏡検査で肺ムーコル症と診断。抗真菌剤の内服で陰影が残存したため, 病巣を含む肺切除術を行った。症例3は52歳男性。肺結核の既往あり。糖尿病の治療中で, 非ホジキンリンパ腫完全寛解にあった。既存の肺結核後の空洞に, ムーコルによる菌球を形成した。以上, 宿主の免疫状態や肺局所の要因によりそれぞれ発症形式が異なると考えられ, 気管支鏡下肺生検で診断しえた肺ムーコル症3例を経験したので報告する。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 22 (2), 109-114, 2000

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ