ダイオードレーザーと高周波スネアの併用で経気管支的に切除した定型的気管支カルチノイドの1例

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タイトル別名
  • A Case of Typical Bronchial Carcinoid Removed by Bronchoscopic Diode Laser Therapy and in High-frequency Electrosurgical Snaring

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抄録

背景.近年気管支壁内までにとどまっている中枢発生の気管支腔内型定型的カルチノイドに対して,気管支鏡的治療が根治的治療となりうる可能性を示す報告が散見される。今回我々は中枢発生の気管支腔内型定型的カルチノイドを,ダイオードレーザーと高周波スネアの併用で経気管支的に切除した症例を経験したので報告する。症例.症例は58歳,男性。喀血の精査のために施行された胸部CTにて,左主気管支に腫瘤影を指摘された。気管支鏡検査では左主気管支内腔に突出した可動性のあるポリープ状腫瘍を認め,生検にて定型的カルチノイドと診断された。術前に行われたHRCT,造影MRIでは気管支内腔に一部造影効果を有する腫瘍としてとらえられ,明らかな壁外進展の所見は認めなかったため,気管支鏡下にて高周波スネアによる茎部切断を行い腫瘍を切除し,ダイオードレーザーによる切断面の焼灼を行った。結論.本症例は再発に関して定期的なfollow-upが必要であるが,同疾患が外科的手術に代わって気管支鏡下治療の対象になりうる可能性を示した。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 25 (1), 38-42, 2003

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (13)*注記

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