内視鏡的に確認しえた, 肺癌治療後に生じた気管支 : 食道瘻の 1 例

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タイトル別名
  • A Case of Bronchoesophageal Fistula after Concurrent Radiochemotherapy

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抄録

症例は66歳男性。初診時stageIIIbの肺腺癌に対しCDDP, VDS, MMCによる化学療法を4コース施行した。3年後縦隔リンパ節腫大による気道狭窄症状が出現したため, 放射線療法と化学療法の同時併用療法を試みた。その退院3週間後, 急性呼吸不全が出現し, 内視鏡的に左主幹に気管支-食道瘻を認め嚥下性肺炎のため死亡した。通常, 肺癌に伴う気管支-食道瘻は, 壊死性変化を伴った腫瘍内にさけめを形成する型が大半である。しかし, 本例では瘻孔周囲には残存腫瘍はわずかで, その成因としては治療によるnecrotizing bronchitisの関与が想定された。concurrent therapyでは抗腫瘍効果も高い半面, 予想外の合併症を併発する可能性もあり注意を要するものと思われた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 17 (6), 491-495, 1995

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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