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抄録
気管支鏡検査によって得られる材料を用いて, 肺癌の遺伝子異常の治療前診断を試みた。細胞診により悪性細胞の存在を確認しえた60症例132検体からDNAを抽出し, Southern Blot法により, myc遺伝子増幅の有無ならびにテロメア長の測定をおこなった。またpolymerase chain reaction-restriction fragment length polymorphism (PCR-RFLP)法により, ras遺伝子の点突然変異の検索を, PCR-denaturing gradient gel electrophoresis (PCR-DGGE)法を用いてExon 3から9の領域におけるp53遺伝子の変異を検索した。60例中12例(20%)にテロメア長の変化を, p53遺伝子の変異は25例(42%), 2例(3%)にc-myc遺伝子の増幅を, 腺癌26例中3例(12%)にK-ras遺伝子の点突然変異を認めた。肺癌のこれらの遺伝子異常の治療前診断は, 肺癌の生物学的特性の理解の一助となる可能性が示唆された。
収録刊行物
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- 気管支学
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気管支学 17 (8), 691-694, 1995
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204747447680
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- NII論文ID
- 110002819293
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- NII書誌ID
- AN00357687
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- ISSN
- 21860149
- 02872137
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可