気管支鏡にて粘液栓を認めた Mucinous Cystadenocarcinoma の 1 例

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タイトル別名
  • A Case of Mucinous Cystadenocarcinoma Presenting a Mucus Plug on Bronchofiberscopy

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抄録

症例は72歳, 女性。中葉の反復性肺炎の精査のため, 当科に紹介された。肺炎後の嚢胞状気管支拡張症と器質化肺炎と診断し, 経過観察とした。胸部単純写真で認められた中葉の浸潤は経過とともに増大し, 1年7ヵ月後には胸部CT写真で右S^5に内部不均一で約4×6cmの境界明瞭な嚢胞状腫瘤陰影の形成を認め, 右下葉内にも不整形の腫瘤陰影や散在性の浸潤陰影が出現した。気管支鏡では, 右B^5aに吸引がほとんど不可能なゼラチン状の粘稠性物質による完全閉塞を認めた。経気管支肺生検にてmucinous typeの細気管支肺胞上皮癌と診断した。粘液貯留による嚢胞状陰影の壁にあたる部位の病理組織学的所見はmucinous cystadenocarcinomaであり, 細気管支肺胞上皮癌の一亜型とされるmucinous cystadenocarcinomaの発症, 進展形式を知る上で貴重な症例と考えられた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 18 (1), 51-56, 1996

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (12)*注記

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