間質性肺炎の治療中に発症した慢性壊死性肺アスペルギルス症の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Chronic Necrotizing Pulmonary Aspergillosis Associated with Interstitial Pneumonitis

この論文をさがす

抄録

症例は, 68歳, 男性。1995年10月初旬より発熱, 呼吸困難を自覚した。近医にて抗生剤等により加療されたが増悪し, 当院へ転院した。胸部X線では, 両側中下肺野に網状, 線状影がみられ, 急速に進行していたため間質性肺炎の急性増悪と診断し, ステロイドパルス療法とcyclophosphamideのパルス療法を併用投与し, 間質性肺炎は徐々に改善した。しかし, cyclophosphamide投与に伴う白血球数減少の時期に発熱及び多発性斑状影が4ヵ所出現し, 一部に真菌球を伴った空洞を認めた。気管支鏡下洗浄液でアスペルギルスが検出され, 慢性壊死性肺アスペルギルス症(Chronic necrotizing pulmonary aspergillosis)と診断した。Amphotericin B, 5flucytosineの投与後4ヵ所の斑状影はいずれも薄壁空洞となったが, そのうちの1ヵ所は薄壁空洞内に真菌球が残存した。Itraconazoleの内服にて約1年後血清アスペルギルス抗体は陰性化し, Chronic necrotizing pulmonary aspergillosisは治癒したと考えられた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 21 (5), 327-331, 1999

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ