落葉広葉樹の幹肥大成長の開始・休止時期と着葉期間の相互関係,およびそれらに関係する環境要因

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タイトル別名
  • Relationships between stem-diameter growth periods and leaf growth periods of deciduous broadleaved tree species with reference to environmental factors
  • ラクヨウ コウヨウジュ ノ カンヒダイ セイチョウ ノ カイシ キュウシ ジキ

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抄録

落葉広葉樹19種にっいて, 1984年から1990年にかけて幹の肥大成長,および開葉と落葉の季節パターンを調べた。各樹種とも細大成長の開始と休止の時期に, 7年間で10日から20日間程度の年次変動が認められた。開葉および落葉時期を3年間調べたところ,開葉時期に関しては各樹種とも10日間程度の年次変動を示したが,落葉時期に関しては数日間程度の年次変動しかみられない場合が多かった。これら肥大成長時期および開葉時期の年による遅速をみると,多少の入れ替わりはあるものの,毎年ほぼ一定した樹種の順序が保たれていた。また,肥大成長の開始時期が開葉に先行する環孔材樹種と,肥大成長の開始時期が比較的遅くて,開葉してから一定の期間後に肥大成長を開始する散孔材樹種の違いが明確であった。肥大成長の休止は,各樹種とも落葉に先行していた。成長の開始と休止時期を強く支配する環境要因をもとめたところ,肥大成長の開始時期に関して,環孔材樹種では最低気温が,散孔材樹種では開葉してから肥大開始までの日数が検出された。肥大成長の休止時期に関しては,環孔材樹種では最高気温が,散孔材樹種では日長が検出された。いずれの樹種にも,開葉の時期には平均気温5°C以上の積算日数と降水量が,落葉の時期には日長が関係していた。

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