スギカミキリの寄生パチの生活史および丸太接種幼虫に対する寄生状況

書誌事項

タイトル別名
  • Life Histories of the Parasitoid Wasps and Their Percent Parasitisms on Inoculated Larvae of the Cryptomeria Bark Borer, <i>Semanotus japonicus</i> LACORDAIRE (Coleoptera: Cerambycidae)
  • スギカミキリの寄生バチの生活史および丸太接種幼虫に対する寄生状況〔英文〕
  • スギカミキリ ノ キセイバチ ノ セイカツシ オヨビ マルタ セッシュ ヨウチ

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抄録

スギカミキリ丸太接種幼虫に対し, 4種の寄生バチが確認された。いずれも外部寄生で,内3種は単寄生, 1種は多寄生バチであった。その中でも唯一多寄生のヨゴオナガコマユバチ (Doryctes yogoi WATANABE) が最も数多く採集された。本種は年2世代を経過し, 7~8月に羽化する夏世代成虫は次世代の寄主として主にヒメスギカミキリに産卵するものと考えられる。夏世代の野外での卵から羽化までの所要期間はおよそ1.5カ月であった。サッポロマルズオナガヒメバチ(Ischnoceros sapporensis UCHIDA) は4種の内最も大型のハチで,羽化時期はヨゴオナガコマユバチよりやや早いが,詳しい生活史は不明である。キタコマユバチ(Atanycolus initiator (FABRICIUS)) およびSpathius brevicaudis RATZEBURGは主にマツの穿孔虫類を寄主としており,スギカミキリに対する寄生は少なかった。スギカミキリ接種幼虫に対する寄生率はほとんどの試験地で60~90%に達した。いずれの場所においてもヨゴオナガコマユバチとサッポロマルズオナガヒメバチが優占していたが,それぞれの種の寄生率は同一試験地でも年によって大きく変動する傾向があった。

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