森林土壌中における窒素無機化の反応速度論的解析 (II)

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タイトル別名
  • Kinetics of mineralization of nitrogen in forest soil (II)
  • 森林土壌中における窒素無機化の反応速度論的解析--土壌の含水率およびpHの違いが窒素無機化過程に及ぼす影響
  • シンリン ドジョウチュウ ニ オケル チッソ ムキカ ノ ハンノウ ソクドロン
  • 土壌の含水率およびpHの違いが窒素無機化過程に及ぼす影響
  • Effects of soil water content and pH on mineralization of soil nitrogen

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抄録

森林土壌をin vitro培養し,窒素無機化過程が土壌含水率およびpHの違いによってどのような影響を受けるかを,反応速度論によって解析した。土壌含水率は,最大容水量の40, 60, 80% (含水率40, 60, 80%) の3段階に調節した。含水率60%の土壌においては, pHを調節するためにCaCO3を0,600, 1,800mg•100g-1の3段階で施用した。培養温度は,各処理とも20, 25, 30°Cの3温度で行った。培養土壌は, NO3-N量の増加にともないpH (H2O) が低下した。硝化抑制作用が, pHの低下した土壌で現れたが,CaCO3施用でpHの上昇した土壌では見られなかった。硝化抑鯛は,温度が高いほど,含水率が低いほど顕著であった。合水率40%の窒素無機化曲線は,乾土効果によって易分解性窒素が増大し他処理と著しく異なった。含水率60%と80%およびCaCO3施用と無施用では,硝化抑制の有無に係わらず窒素無機化曲線に著しい違いがなかった。以上のことから, in vitro培養では,著しい乾燥に注意を要する。培養の際のpH調節は,とくに必要がないと結論された。また,反応速度論を用いての現実林地の土壌窒素無機化量の推定においても,土壌含水率やpHをあ衷り考慮する必要はない。

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