春季の加温処理によるアカマツの土用芽の誘導

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タイトル別名
  • Lammas shoot induction in <I>Pinus densiflora</I> by heating in spring
  • シュンキ ノ カオン ショリ ニ ヨル アカマツ ノ ドヨウメ ノ ユウドウ

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抄録

アカマツの冬芽内の葉原基の形成経過と日長反応性の関連から,土用芽の発生要因を検討した。1年生苗を2月20日,3月7, 22日の各日からガラス室で加温処理した後,5月22日に野外に搬出し,主軸の先端に形成された冬芽の土用芽の発生状況を調査した。その結果,早い時期から加温した個体ほど,より早い時期に冬芽内の節間が伸長し始め,土用芽の発生率も高く,二次伸長量も大きくなった。また,3月6日から6月4日まで加温した処理区(加温区)と無加温区の冬芽を定期的に採取し,冬芽内に形成された葉原基の数を解剖学的な方法で調べたところ,加温区では冬芽内の節間で急激な伸長の認められた8月中に,90以上の葉原基の形成が確認された。一方,無加温区で90以上の葉原基が確認されたのは9月上旬の短日条件になってからであり,節間の急激な伸長はみられなかった。以上の結果,アカマツの土用芽とは,90~100程度まで葉原基を形成した冬芽において,その内部の節間が野外の14時間以上の長日条件で伸長成長したものと考えられた。

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