新カラマツ根株心腐病菌とその土壌中からの捕捉

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タイトル別名
  • Newly Unidentified Butt-Rot Basidiomycetous Fungus of Japanese Larch and Method for Baiting the Fungus from the Soil
  • 新カラマツ根株心腐病菌とその土壌中からの捕捉〔英文〕
  • シン カラマツ ネカブ シングサレビョウキン ト ソノ ドジョウチュウ カラ

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抄録

長野県南佐久郡,筑波大学八ケ岳演習林,川上村有母樹林および国有林のカラマツ造林地よリカラマツ根株心腐病菌の分離をおこなった。供試149木本から病原菌を分離し,カイメンタケ (17%), レンゲタケ (7%), ハナビラタケ (7%) および新病原菌(未同定, 27%) を得た。本供試木61本からは病原菌が分離できなかった。新病原菌はこの地域のカラマツに大きな被害を与えている。本菌はレンゲタケによる腐朽と類似した立方体状褐色朽から一貫して分離されるが,立方体は小型で規則的に配列し,中期から末期腐朽部位には本菌の黒色の菌糸束がみられる。麦芽エキス寒天培地上で本菌は白色,のち淡黄褐色を帯びるコロニーを形成する。菌糸は多重クランプを有し,幅16μmまで,菌糸3~数十本からなる菌糸束を彩成する。カラマツ林内土壌にカラマツの杭を打つことにより土壌中の新病原菌を捕捉した。杭設置後6カ月目に本菌の黒色菌糸束が杭表面に付着しているのが観察され,本菌の土壌中の存在が確認された。本菌は土壌中に不均一に分布していた。

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