ブナの冬芽の大きさと新梢の形質との関連性について

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タイトル別名
  • Shoot characteristics as a function of the bud length on Japanese beech trees
  • ブナ ノ フユメ ノ オオキサ ト シンショウ ノ ケイシツ ト ノ カンレン

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抄録

冷温帯夏緑広葉樹林の優占種であるブナの生活様式を探る研究の一つとして,林内の個体を対象に,冬芽の大きさと新梢の形質の関係を検討した。その結果,冬芽の大きさにかなりの差が認められ,しかもその差異は,新梢長,新梢当り葉数および葉面積,さらには翌年の冬芽数等に強く反映されていた。冬芽長とそれから作られた光合成系との関係をみると,新梢長,新梢当り葉数,葉面積および翌年の冬芽数との間に指数関係が認められ,これらをブナの冬芽に含まれていた基本的内容とみることができる。また,ブナの光合成系拡張方式は,冬芽の大きさに従って,最小のクラスの冬芽では,最小限の葉面積確保だけの段階,中間の大きさの冬芽では,次の光合成系拡大のための非光合成系への投資の段階さらに冬芽が大きいときは,より大幅な光合成系拡大の段階の3段階に区分できる。それらの限界点として,冬芽長およそ13mmと, 20mmが相当し,それぞれをここでは第1および第2臨界冬芽長とした。

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