マイクロカーネルにおける動的カーネルモジュールのサポート

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  • Dynamic Kernel Module Support in a Microkernel

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抄録

移動計算機環境を実現するためには,計算機自身の構成を含めて変化する環境に動的に適応可能しなければならない.そのような,動的適応可能なソフトウェアアーキテクチャにおけるカーネルは,アプリケーション自身が,必要とする機能をカーネルに提供することができるものでなければならない.そのための機能として,マイクロカーネルにおけるDKM(Dynamic Kernel Module)のサポートについて述べる.DKMはマイクロカーネルの拡張の単位であり,関数とそれによってのみ操作されるデータを持つ.DKMは,マイクロカーネルに単に機能を追加することができるだけでなく,限られた資源しか持たない移動計算機においては重要となる,必要でなくなった機能をカーネルからアンロートしたり,または一時的にカーネル外にデタッチすることができる機能を持つ.DKMは,それ自身の機能を規定しないため,DKM間の関係を管理し,そのフレームワークの維持を行なうDKMサーバが必要となる. DKMサーバは, DKMのカーネルへのロート,カーネルからのデタッチまたはアンロートを行なうだけでなく,プログラム可能にすることにより,計算機環境の変化に動的適応するためのイベント処理を自律的に行なうことができる.以下本論文では,2章においてDKM,DKMサーバについてより詳細に述べ,3章においてノート型PCにおけるPCMCIAカード管理への応用について述べる.4章では関連研究と比較を行ない,5章で本論文をまとめる.

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