クロモトロープ酸を用いる高感度蛍光検出/フローインジェクション分析法による超純水中の極微量ホウ素の定量

書誌事項

タイトル別名
  • Highly sensitive determination of boron with 1,8-dihydroxynaphthalene-3,6-disulfonic acid in ultrapurified water by fluorescence detection/flow-injection analysis
  • クロモトロープサン オ モチイル コウカンド ケイコウ ケンシュツ フローインジェクション ブンセキホウ ニ ヨル チョウジュンスイチュウ ノ ゴクビリョウ ホウソ ノ テイリョウ

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抄録

超純水中の極微量ホウ素を定量するために,クロモトロープ酸を用いるホウ素の蛍光検出/フローインジェクション(FIA)法の諸条件を再検討し,検出限界を10分の1の5×10-10 Mに下げることに成功し,大幅な感度向上を達成した.クロモトロープ酸とホウ酸との反応生成物の蛍光を利用するホウ素のFIA法における残存クロモトロープ酸の蛍光強度を低下させるために,アンモニア水を加え,アルカリ性にした.緩衝液としてエチレンジアミン四酢酸を含む酢酸緩衝液を用い,金属のマスキングを兼ねたpH調整を行うことにより,非常に安定なベースラインを得ることに成功した.流量,反応コイル長,試料注入量,試薬濃度等のFIAパラメーターについて感度向上の観点から最適化を行い,ホウ素錯体の蛍光測定(励起波長λex=313 nm,蛍光波長λem=360 nm)により,前処理なしでホウ素10-9 Mの定量が可能となった.S/N=3での検出限界は5×10-10 M(5 ppt)で,現在最も高感度な定量法である.ホウ素6×10-9 Mの10回繰り返し実験の相対標準偏差(RSD)は3.6%(n=10)であり,1時間に40試料の分析が可能であった.河川水,蒸留水,イオン交換水などに存在する程度の金属イオン及び陰イオンは定量を妨害しない.本法により,イオン交換水,蒸留水中に存在するホウ素は直接定量できた.超純水中に存在する微量のホウ素(10-10 Mレベル)は,加熱濃縮操作法を併用することにより,定量可能となった.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 53 (4), 345-351, 2004

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (39)*注記

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