関東の森林の土壌シードバンクにおける緑化材料としての利用可能性とその測定方法

書誌事項

タイトル別名
  • Potential of forest soil seed bank as revegetation material in Kanto district and its examination method.
  • カントウ ノ シンリン ノ ドジョウ シードバンク ニ オケル リョクカ ザイリョウ ト シテ ノ リヨウ カノウセイ ト ソノ ソクテイ ホウホウ

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抄録

関東地方の東京都と栃木県, および山梨県において,森林表土中の土壌シードバンクの組成について調べて,緑化材料としての利用可能性について検討した。実生出現法による試験を行って土壌シードバンクの組成を調べた結果,いずれの場所の表土を緑化に用いた場合でも,自生種の優占する植物群落の形成が可能であると推察された。3 地域の間で多くの共通種が確認され,自生種であるアオスゲ,オカトラノオ,ケスゲ,タチツボスミレなどの草本や,キブシ,コウゾ,コゴメウツギ,タラノキ,ヌルデなどの先駆性木本の種子が種数,個数ともに多く含まれていることが確認された。以上のことから,本研究の対象とした地域においては,森林表土を用いて緑化を行うことで,先駆性木本を多く含む,種構成の類似した植物群落を形成させられることが示唆された。一方,実生出現法による試験を1 年以上続けた後の表土中には,休眠状態で生存している埋土種子はほとんど存在しないことが確かめられた。また,森林の土壌シードバンクの緑化材料としての利用可能性は,野外で春先から実生出現法による試験を行うことで,短期間で調べられることが明らかとなった。

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参考文献 (36)*注記

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