ユーザレベルプロトコルのカーネル内実行による大量データ通信の効率的実現

  • 西村 健
    東京大学大学院 理学系研究科 情報科学専攻
  • 猪原 茂和
    東京大学大学院 理学系研究科 情報科学専攻
  • 益田 隆司
    東京大学大学院 理学系研究科 情報科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • High Performance Bulk Data Transfer by Embedding User-level Protocol in the Kernel

この論文をさがす

抄録

近年、高速ネットワーク技術の革新とインターネットの普及にともなって画像や音声などのデータをネットワーク上で通信し加工するアプリケーションが増えつつある。しかし従来のOSではTCP/IPのような特定のネットワークプロトコルのみがカーネル内で実現され、それ以外のプロトコルはカーネル外で実現するしかなかったためアプリケーションレベルのプロトコル層とカーネルレベルのプロトコル層の間でパケットを複製する操作がボトルネックとなっていた。本研究では、ユーザレベルのプロトコルモジュールをカーネル内にロード可能にし、一連のプロトコル処理をカーネル内で処理することで大量の通信データを効率的に扱う機構を提案する。カーネル内にロードされたモジュールは、通信データに対する主要な処理であるネットワークシステムとファイルシステム間のデータ移動、および内容の加工 (圧縮や展開など) を行う。これらによって、画像や音声データを多くの場合複製操作なしで処理することが可能になる。ユーザコードは不法なアクセスの検査を行うカーネル内のインタプリタ上で実行し、システム全体の安全性を確保する。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1571698602014489728
  • NII論文ID
    110002941203
  • NII書誌ID
    AN10444176
  • ISSN
    09196072
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

問題の指摘

ページトップへ