器質性病変が先進部に認められた腸重積症10例の検討

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  • Clinical Analysis of Organic Bowel Disease as the Leading Indicator in 10 Pediatric Patients With Intussusception
  • キシツセイ ビョウヘン ガ センシンブ ニ ミトメラレタ チョウジュウセキショウ 10レイ ノ ケントウ

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抄録

【目的】小児期における腸重積症は, 多様な器質性病変が先進部となって疾患の成因となることがある.今回我々は, 自験例に認められた先進部病変について検討した.【対象】昭和53年より現在までに経験された腸重積症例は106例で, このうち10例(9.4%)において器質性病変が確認された.腸重積症の原因となった器質的疾患の内訳は, メッケル憩室症5例, 小腸ポリープ2例, 小腸過誤腫1例, 悪性リンパ腫1例, Henoch-Schonlein症候群1例であった.【結果】これらの症例の発症年齢は, 先天性の小腸ポリープないし過誤腫によるものでは比較的若年齢の症例(4カ月, 5カ月)が多く, Henoch-Schonlein症候群及び悪性リンパ腫などの疾患では年長児例(3歳11カ月, 5歳4カ月)で認められた.また, メッケル憩室が先進部となった5症例では, 比較的広い年齢層(2カ月〜4歳11カ月)に分布していた.尚, 器質的病変を伴ったものの年齢分布が, 1歳未満と3歳以上の二峰性であったのに対して, 器質的病変を伴わないものの年齢分布は乳児期をピークとし, 年齢増加に従って漸減していった.またこれら5例では下血の症状は無く, 術前に^<99m>Tcシンチグラフィーを行ったのは1例のみであったが, この例では術前に診断が確定されなかった.【考察】これらの結果から, 腸重積症の成因となる器質性疾患には年齢分布等に特徴があり, 日常の小児外科診療の参考に役立つものと考えられた.

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