歯科用金属とメタクリレート系レジンの接着に関する研究 : 金属表面への4-METの電着とその効果

  • 榎本 琴世
    日本大学歯学部補綴学教室クラウン・ブリッジ学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Adhesion between Dental Alloys and Methacrylate Resin : Electrodeposition of 4-MET on the Alloy Surface and its Effect

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抄録

歯科用金属と歯科用レジンとの接着性向上を目的とし,歯科用金属への接着性モノマーの電着について検討している. 今回は, 4-methacryloxyethy1 trimellitic acid (4-MET)の歯科用金属への電着状態の赤外線吸収スペクトル(FT-IR)による分析を行うとともに,その電着処理条件とメタクリレート系レジンとの接着強さとの関係について検討した.4-METが金属表面に電着され,カルボキシレートイオンとなってイオン結合を形成する一方,電着処理後もメタクリル基の二重結合の存在が確認された.それぞれの金属における効果的な処理条件は,合金の種類によって異なり,12%金銀パラジウム合金では4-MET溶液濃度10%-処理電流10〜100mA/cm2,15%-1〜100mA/cm2および20%-1〜5mA/cm2の範囲であり,最大せん断接着強さは9.4MPaであった.同様に,純チタンでは5〜20%-1mA/cm2,11.6MPaであった.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 22 (3), 201-209, 2003

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (22)*注記

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