光重合型コンポジットレジンに関する研究 : その2 成分の屈折率がレジンの硬化度におよぼす影響

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  • A Study on Light-activated Composite Resins : II.Effects of the Refractive Indices of the Components on the Degree of Cure of the Resin

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抄録

各種ジメタクリレートモノマーおよびシリカフィラーを用いて光重合型コンポジットレジンを試作し, それら成分の屈折率が光重合型コンポジットレジンの硬化深さおよび硬化度(重合率)におよぼす影響について検討した.その結果, 可視光線についても紫外線についても, モノマーの屈折率とシリカフィラーの屈折率の差が小さいモノマーは, 光を良く透過し, 硬化深さが大きかった.また, ポリマーの屈折率はモノマーの屈折率より大きくなり, そのため, フィラーの入った硬化物の光透過率は著しく低下した.可視光線は紫外線よりも, 用いたすべてのレジンペーストおよびその硬化物を良く透過した.また, 光照射面から深さ方向へのヌープ硬さの減少率によって, レジン内部を硬化度(重合度率)を評価することを試みた.その結果, 硬化深さ以上に, モノマーだけでなくポリマーの屈折率がレジンの硬化度(重合率)の向上に関係することがわかった.したがって, 光重合型コンポジットレジンに用いるベースレジンのモノマーは, 屈折率に関しては, フィラーの屈折率に近似していて重合時に変化の少ない屈折率を有するモノマーであることが望ましい.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 5 (3), 427-434, 1986

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (9)*注記

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