合着用グラスアイオノマーセメントの硬化開始後の機械的性質の変化

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タイトル別名
  • Changes in Mechanical Properties of Glass Ionomer Cements for Luting After Initial Setting

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抄録

本実験では硬化初期段階から24時間までのグラスアイオノマーセメントの機械的性質の経時的変化について検討を行った.実験には2種類の従来型グラスアイオノマーセメント(Fuji I,DNT Ionomer)と2種類のレジン添加型グラスアイオノマーセメント(Fuji LUTE,Fuji LUTEBC)を用いた.練和には各セメントごとにメーカー指定の標準粉液比を中心に,異なる3つの粉液比を設定した.[メーカー指定の標準粉液比を中心に,セメントの粉末を+20%(ただし,DNT Ionomerは+10%),-20%に設定した]セメントの圧縮強さは,内径4mm,高さ8mmの試料にて練和開始10分後から24時間後まで万能試験機にて測定した.また弾性率と靭性は圧縮強さ測定時に記録された荷重-クロスヘッド変位曲線より求めた.その結果,セメントの粉液比を増加させると各時間ごとの圧縮強さは増加した.とくにレジン添加型は練和開始30分後の値で練和開始24時間後の値のほぼ70%に達していた.一方,従来型セメントは24時間後の値の70%の強さを得るには,練和開始から1時間以上の時間を必要とした.弾性率と靭性は,練和開始から3時間値まで増加し,とくに練和開始から1時間値までの増加は著明であった.グラスアイオノマーセメントの機械的性質は硬化反応の進行に伴って著明な変化がおこることが示唆された.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 18 (3), 225-232, 1999

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (22)*注記

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