銀パラジウム銅金合金の静的破壊特性に及ぼすミクロ組織の影響

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タイトル別名
  • Effect of Microstructure on Static Fracture Characteristics in a Dnetal Ag-Pd-Cu-Au Alloy

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抄録

種々の熱処理を施した歯科用銀パラジウム銅金合金につき, 静的3点曲げ破壊靱性試験を行い, 静的破壊特性に及ぼす熱処理条件の変化に伴うミクロ組織の影響について検討した.静的破壊靱性値は, 溶体化まま材では溶体化温度1123Kの場合を除き, 強度特性値の場合と同様に, 溶体化温度の上昇とともに増加する傾向にある.これは, α_1相がα_2相へ固溶する固溶強化のためと考えられる.溶体化時効材では, 溶体化温度1123Kの場合を除いて, 溶体化温度が高いほど静的破壊靱性値が高くなる傾向にあるが, 時効温度673Kで, 溶体化温度1073および1123Kの場合に破壊靱性値が極めて大きく減少したのは, β相がき裂の発生サイトとなったことが主原因と考えられる.本合金の静的破壊靱性値に対する最適熱処理は溶体化温度1073Kの場合で, 特に溶体化空冷材は, 鋳造条件に比較的近い条件であるとともに, 時効工程を省略できることから有効な熱処理であると言える.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 17 (3), 191-199, 1998

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (18)*注記

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