牛歯ダンベル型接着試料を用いた引張試験の長所

  • 荒尾 武文
    東京医科歯科大学医用器材研究所有機材料部門
  • 中林 宣男
    東京医科歯科大学医用器材研究所有機材料部門

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Miniaturized Dumbbell-shaped Specimen to Identify Bonding of Bovine Dentin

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抄録

試料に均一な応力が加えられた時, 引張強さが最も弱い部分で破断されるダンベル型試料を用いて, ウシ象牙質への4-META/MMA-TBBレジンの接着を解析した. 流水下#600研削された象牙質を, 10%クエン酸-3%塩化第二鉄(10-3)でそれぞれ 10 秒間, 30 秒間あるいは 60 秒間脱灰した後, レジンを接着し, 接着面が 3.0×2.0 mmのダンベル型に接着試料を加工した.これを用いた引張接着強さは, 10秒群で 20.5 MPa, 30秒群で16.2 MPa, 60秒群では 12.7 MPaであった.破断面のSEM 観察により, いずれの試料でも残留脱灰象牙質での破壊が認められた. すなわち一日水中浸漬ダンベル型試料を用いた試験により, これまで検出が難しかった引張強さの弱い欠陥と思われる脱灰象牙質の残留を, 確実に見出せることがわかった.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 16 (3), 175-181, 1997-05-26

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (23)*注記

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