ジルコニア基埋没材による中・小型チタン鋳造体の鋳造精度と鋳造収縮率

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  • Casting Accuracy and Shrinkage of Titanium Castings made with Zirconia Investments

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抄録

寸法精度にすぐれたインレー, クラウン, ブリッジ型チタン鋳造体を得ることのできる埋没材として10mol%カルシアを混合添加したジルコニア基埋没材の硬化膨張, 熱膨張, 総合膨張, 鋳造収縮補償不足値の, カルシア, ジルコニアおよび練和液の種類, 濃度, 粒度による依存性を調べた.カルシア添加により, 硬化時寸法変化は膨張性になり, 加熱時寸法変化においても900〜1, 200℃で純ジルコニアよりもさらに大きな熱膨張を示した.カルシア, 練和液の種類は, ことに硬化膨張特性に大きな影響を与え, 現象的には硬化膨張の飽和安定型と遅発膨張型に分けられた.前者を選択し, 総合膨張値を-2〜+3%の範囲で調節することが可能になった結果, 小型板状, クラウン, ブリッジ型各鋳造体において補償不足値が-2〜+2%の範囲のものを随意に得ることができた.このときチタンの鋳造収縮率は1.8〜2%と推定された.鋳造体は良好な湯廻り性と型離れ性を示し, 焼着, 酸化のない, 金属光沢の表面を有していた.X線透過法により, 鋳造体内部の欠陥の様子も観察した.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 9 (6), 850-857, 1990

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (12)*注記

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