面積測定による歯科材料の細胞毒性評価法

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タイトル別名
  • Quantitative Evaluation by Measuring Affected Area for Cytotoxicity of Dental Materials

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抄録

歯科材料の細胞毒性を定量的に測定するため寒天重層法を応用した方法を考案して実験した.試料から溶出する毒性成分によって影響を受けた線維芽細胞の面積を画像分析にて定量的に測定して, アマルガムとコンポジットレジンの細胞毒性について比較検討した.アマルガムの細胞毒性は時間の経過と共に50%以上減少した.亜鉛がアマルガムの細胞毒性の主要な役割を果していた.化学重合型コンポジットレジンの細胞毒性は時間の経過と共に著しく減少した.しかし, 24時間後もわずかに細胞毒性が残った.光重合型コンポジットレジンの細胞毒性は光の照射時間が長くなるに従い著しく減少した.アマルガムとコンポジットレジンの細胞毒性はそれらの硬化反応に依存していた.そして, アマルガムとコンポジットレジンは時間の経過によって, 細胞培養液中に毒性成分が溶出しない安定な物質に変わるために細胞毒性が減少し, あるいは消失した.本実験で考案した影響を受けた線維芽細胞の面積を測定して歯科材料の細胞毒性を定量的に測定する方法は簡単で再現性があり, 多用性がある.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 9 (4), 591-599, 1990

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (3)*注記

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