歯科用新レジンの開発に関する研究 - ウレタンジメタクリレートの構造と物性について -

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タイトル別名
  • Development of New Dental Resin Materials - Relationship between the Structure and Physical Properties of Urethane Dimethacrylate Polymers -

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抄録

分子骨格の異なる9種のUDMAを合成し, 化学構造と重合体と物性との相関について検討した.これらのUDMAは分子骨格として, 剛直なフェニル環(XY-HEMA, XY-HPMAおよびXY-HPPM), シクロヘキサン環(IP-HEMA, IP-HPMAおよびIP-HPPM)あるいは屈曲性のヘキサメチレン鎖(HM-HEMA, HM-HPMAおよびHM-HPPM)を有しており, 結晶性モノマーであるXY-HEMAおよびHM-HEMAを除いて, すべて常温で液状のモノマーであった.耐水性の向上を意図して側鎖にフェニル基を付加したUDMAはtriEDMAとの共重合系において, 30〜70mol%の濃度範囲で曲げ強さ, 弾性係数, 圧縮強さ, ダイアメトラル引っ張り強さに最大値を示し, 吸水による物性の低下も小さく, 総体的にBis-GMAを上まわる物性を有していた.さらに, UDMA/triEDMA共重合体の吸水量はUDMA分子構造中への疎水性原子団の導入により大きく低下し, 疎水性原子団による耐水性の向上が実証された.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 7 (2), 143-158, 1988

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (5)*注記

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