Lithological changes across the Paleocene/Eocene boundary and its event discovered by ODP Leg 199 cruise, eastern Pacific Ocean
-
- Nomura Ritsuo
- Foraminiferal Laboratory, Faculty of Education Shimane University
-
- Nishi Hiroshi
- Graduate School of Social and Cultural Studies, Kyushu University
Bibliographic Information
- Other Title
-
- 東太平洋ODP Leg 199 で得られた暁新世―始新世の境界イベントと岩相変化
Search this article
Abstract
暁新世―始新世の境界(~55Ma)では深海底生生物種の30~50%が絶滅した. この絶滅イベントは酸素と炭素のそれぞれの同位体比がスパイク状に負ヘシフトしたことと対応している. -2%にも及ぶ底生有孔虫のδ18 のシフトからは深海と表層の水温較差が減少し, 極域の海洋は約18℃まで温暖化したと考えられている(Kennett and Stott,1991). これはLate Paleocene Thermal Maximum (LPTM)として知らていれる. これまで,このような化石群集・同位体イベントを記録した地層には多色性のある顕著な岩相変化が認められていなかった. Ocean Drilling Program Leg 199は,東太平洋の低緯度域で暁新世と始新世の境界を記録する連続コアの回収に成功した(第1,2図). 底生有孔虫の絶滅層準付近の色調変化は著しく, 特に絶滅層準は生物擾乱のない均一な粘土層の下底と一致する. ここでは,カルシウム,マンガンをはじめとする元素の急激な量的変化が起こっている. これら一連の変化は熱水活動等によって深層水・底層水の急激な酸性化が起こったことを示唆する(第3~5図). この時期の海底熱水活動には巨大火成岩区 (たとえば,北大西洋火山岩区) の形成が深く関係していると考えられる (Wignall,2001). 火山活動に伴う温室効果ガスの放出は, 生物の絶滅イベントや急激な温暖化現象を考察するうえでこれから重要な視点となろう.
Journal
-
- The Journal of the Geological Society of Japan
-
The Journal of the Geological Society of Japan 108 (10), XVII-XVIII, 2002
The Geological Society of Japan
- Tweet
Details 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001206238104704
-
- NII Article ID
- 110003024577
-
- NII Book ID
- AN00141768
-
- ISSN
- 13499963
- 00167630
-
- Data Source
-
- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
-
- Abstract License Flag
- Disallowed