クッシング症候群の臨床的観察

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  • CLINICAL OBSERVATIONS ON CUSHING'S SYNDROME

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抄録

1962年より1981年までの20年間にクッシング症候群21例を経験した. 年齢は20歳, 30歳台で全体の80%を占めた. 男女比は1:6であった. 原疾患は腺腫が16例, 過形成が5例であった.<br>満月様顔貌, 中心性肥満, 高血圧がいずれも100%の出現率であった.<br>赤血球増多症, 白血球増多症は, それぞれ1例, 6例にみられた. 低K血症は5例に, 低Ca血症は3例にみとめた.<br>24時間尿中17-OHCSおよび血中コルチゾルは全例で高値, 血中ACTHは過形成は全例高値, 腺腫例は, 正常ないし低値を示した. メトピロン®試験, デキサメサゾン抑制試験の適中率は, それぞれ80%, 88%であった.<br>局在診断法のうちPRPは50%, CTスキャン, 超音波断層法はそれぞれ75%, 80%, 副腎スキャンは93%の例で診断可能であり, 副腎スキャンが最も有用と思われた.<br>腺腫例の術後グルココルチコイド補充期間は, 最短10日, 最長1年6カ月であり, 4例は, 1カ月以内で離脱できた. hyperbaric oxygenation により離脱できた例もあった. 過形成例は, 両側副腎摘除術後, 下垂体照射の有無にかかわらず典型的なネルソン症候群を呈したものはなかった.<br>術後高血圧が5年以上つづいたものは, 15例中2例, 13%であった.

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