80歳以上の高齢者前立腺肥大症に対する外科的治療について

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  • SURGICAL TREATMENT OF OVER 80 YEARS OLD PATIENTS WITH BENIGN PROSTATIC HYPERPLASIA

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抄録

1978年1月より1985年2月までの8年間に外科的治療を行った80歳以上44例の前立腺肥大症に関する検討を行った. 外科療法の内訳はTUR25例, 恥骨後式前立腺摘除術 (RPP) 9例, 恥骨後式及び恥骨上式前立腺摘除術変法 (combined method) 6例, 凍結手術4例であった. 平均手術時間は, RPP 123.6分, TUR 87.8分, combined method 82.7分, 凍結手術15分であった. 平均出血量は, RPPが最も多く1063ml, ついで combined method 750ml, TUR 400ml, 凍結手術27mlであった. 術後合併症で最も多いものは薬剤性肝機能障害であり, TURの4例に認められた. combined method 及び凍結手術では, 術後合併症は認められなかった. 術後死亡例はなかった. 術後平均入院期間は, TUR 28.5日, RPP 25.1日, combined method 22.2日, 凍結手術18日であった. 摘出腺腫平均重量はRPP 55.4g, combined method 50.3g, TUR 22.4gであった. 100g以上の腺腫が2例に認められた. 術後平均カテーテル留置期間は, 凍結手術が13.5日, RPPが9.3日, combined method が7.3日, TURが7.2日であった. 術後血尿持続期間の平均値はTURが5.5日, 凍結手術が4.8日, RPPが4.7日, combined method が2.8日であった. 術後ドレナージの平均日数は, RPPが6.8日, combined method が3.8日であった. 偶発癌は病理学的検査で1例 (2.3%) のみに認められた. 以上より80歳以上の高齢者に対する手術療法としては, combined prostatectomy が有用であると考えられた.

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