鼠径ヘルニア術後に発生した膀胱周囲肉芽腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • PARAVESICAL GRANULOMA AFTER INGUINAL HERNIORRHAPHY

この論文をさがす

抄録

鼠径ヘルニア術後合併症として膀胱周囲肉芽腫は稀である. 我々は膀胱周囲肉芽腫の1例につき報告するとともに過去の報告27例につき文献的考察を行った. 症例は70歳, 男性で血膿尿を訴えていた. 5年前に右鼠径ヘルニア根治術を施行されていた. 入院時右鼠径部は湿潤していた. 膀胱鏡にて膀胱頂部右側に粘膜の浮腫状変化を認めたが生検の結果悪性像を認めず. CTにて膀胱頂部右側に直径2cmの不均一な腫瘤性病変を認めた. 抗生物質の投与では症状の改善は認められず, 腫瘤切除術と膀胱部分切除術を併せて行ったところ症状は完全に消失した. 病理組織学的に腫瘤は炎症性肉芽腫で, 腫瘤の中心部に以前のヘルニア手術時に使用されたと思われるメッシュが認められた. 血膿尿が持続し鼠径ヘルニアの既往がある場合膀胱周囲肉芽腫を考慮する必要があると思われた.

収録刊行物

参考文献 (20)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ