膀胱腫瘍におけるmalignat potentialの指標としてのABH isoantigen : その4. Thomsen-Friedenreich antigenならびにCEAとの関連性

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  • ISOANTIGENS ABH IN BLADDER TUMORS AS AN INDICATOR OF MALIGNANT POTENTIAL : IV. Correlation with Thomsen-Friedenreich Antigen and CEA

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抄録

表在性膀胱腫瘍86例を対象とし,blood group isoantigen(BGA), Thomsen-Friedenreich antigen(T-Ag)ならびにCEAの検出をおこない,それらの持つ予後予知因子としての有用性ならびに組み合わせの有用性について検討を加えた.BGA,CEAはperoxidase-antiperoxidase法,T-AgはT-Agに特異性を持ったlectin (Peanut agglutinin)によるlectin immunoperoxidase法を用いて検出した.BGAの染色パターンは,typeI,II,IIIa,IIIb,IVに分類可能であったが,各typeと腫瘍の組織学的異型度との間には明らかな相関関係は認められなかった.CEAの陽性率は11.6%であり,G3においてやや高い陽性率を示した.T-Agはその反応性によりcryptic T-Ag陽性,T-Ag陽性,cryptic T-Ag陰性に分類可能であり,組織学的異型度との間には明らかな相関関係は認められたかった.86例中,再発を来した症例は50例(58.1%)であり,再発時に筋層を越える浸潤癌に進展または転移を来した症例は10例であった.しかもこれらの症例は全例type IIIbもしくはtypeIVに属していた.各マーカーを単独で比較した場合は,malignant potentialの指標としては,BGAが最も優ていた.各マーカーを組み合わせた場合は,組み合わせによる有用性は認められなかった.Malignant progressionを来しやすい,いわゆるhigh risk groupはtypeIIIbもしくはtypeIVかつcryptic T-Ag陰性の症例であった.

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