腎癌骨転移に関する検討

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  • EVALUATION OF BONE METASTASES FROM RENAL CELL CARCINOMA

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抄録

骨転移を有する腎癌29例について診断, 治療法につき検討した. 症例は男性27例女性2例であり, 年齢は32~74歳で, 平均年齢は58.7歳である. 骨転移巣が初発症状であった例は8例であり, 原発巣に対する治療後に発見された例は8例であった. 転移巣が骨のみの症例は7例であり, 残りの22例は肺, 遠位リンパ節等の多発性転移症例であった. 骨転移に対して根治的切除術を行ったのは2例であった. 骨転移発見後の予後は1年41%, 2年30%, 3年15%であった. 骨シンチで骨転移の疑われた6例9病変に対して血管造影を行い, いずれも原発巣と同様の高血管性の腫瘍像を認めた. このうち5例8部位に対して腫瘍血管への動注・塞栓療法を行ない, そのうち1例は外科治療を行い, 広範な腫瘍壊死を確認した. 本例はその後血管造影にて腫瘍の残存を認め, 動注療法と放射線照射を行った. さらに血管造影の再検にて腫瘍濃染像の著明な縮小を見た. 腎癌の転移が骨のみ単発の症例が根治的切除術の対象となると考えられる. その対象となる例は少ないが, 骨シンチで骨転移の疑われた例に対してはCT, 血管造影などを施行し早期診断を図れぼ根治的切除術可能な例が増えると考えられる.

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