膀胱原発絨毛癌の1剖検例

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  • PRIMARY CHORIOCARCINOMA OF THE BLADDER
  • A CASE REPORT OF AUTOPSY

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抄録

急速な転帰をとった膀胱原発絨毛癌の一剖検例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. 症例は70歳男性, 1986年6月10日, 肉眼的全血尿を主訴に来院した. 膀胱鏡で後壁に母指頭大の乳頭状腫瘍と左側壁に米粒大の非乳頭状腫瘍を認め, 生検の結果, 未分化癌であったため強く入院を勧めたが拒否し放置していた. 1987年1月30日に全身倦怠感, 呼吸困難および体重減少を主訴に再来した.入院時, 左女性化乳房を認め, 血中hCG-βは101ng/mlと異常高値を認めた. 腫瘍はすでにほぼ膀胱全体を占める程度に増大していた. 入院後17日目, 肺水腫及び心不全のために死亡した. 剖検では膀胱腫瘍の大きさは10×10×3cmで, 病理組織学的にsyncytiotrophoblastを認め, さらにhCG-βの免疫組織学的染色により同細胞内にhCG-β陽性穎粒が認められた. 本症例は本邦第8例目と考えられた.

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