超音波断層法を利用した膀胱頸部吊り上げ術

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  • USE OF ULTRASONOGRAPHY IN THE BLADDER NECK SUSPENSION

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抄録

1988年から1992年までに腹圧性尿失禁の78例に対し術中に超音波断層法を応用した膀胱頸部吊り上げ術を施行した. 吊り上げ張力は, 経直腸的超音波断層法によって測定された後部尿道膀胱角によって決定した. 78例中68例 (87%) で尿禁制が得られた. 残りの10例では術後6ヵ月以内に軽度の尿失禁の再発がみられた. 78例中術後の Chain CGが行われた60例について術中の設定角と術後腹圧時の後部尿道膀胱角を, 術前後で尿流測定が行われた症例のうち排尿量が200ml以上あった39例について術前後の尿流率を比較した. 更に, 操作法による膀胱頸部の描出度および形態の差を見るために, 20症例に対してはそれぞれ経腹および経会陰的超音波断層像により膀胱頸部の形態を比較した. その結果, 術中に超音波断層法によって後部尿道膀胱角を約90度に設定することによって, 排尿困難を来すことなく尿失禁を治癒させることができた. 経直腸的, 経腹および経会陰的超音波断層法のどれでも後部尿道膀胱角は簡単に測定できた. 画像の鮮明度は経直腸的超音波断層法が優れていたが, 経腹および経会陰的超音波断層法では腹部の超音波断層法で普通に使われているコンベックス型やセクタ型の超音波探触子が使用できるのが利点であった.

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