表在性膀胱癌のTUR後の再発因子の解析

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  • AN ANALYSIS OF FACTORS RELATED TO RECURRENCE OF SUPERFICIAL BLADDER CANCER AFTER TRANSURETHRAL RESECTION

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抄録

経尿道的膀胱腫瘍切除術 (TUR-Bt) を行った後3年以上経過観察した初発性の表在性膀胱癌 (Ta, T1) 205例について再発の危険因子を検討した. 対象の年齢は25歳から90歳 (平均61歳), 性別は男160例, 女45例であった. 初発時の異型度はG0が4例, G1が48例, G2が134例, G3が19例であった. また, 深達度はTaが74例, T1が131例であった. 初期治療はTUR単独が137例, 膀胱注入療法併用が64例, BCG注入療法併用が7例, そのほかが7例であった. 検討は年齢, 性別, 主訴, 形態, 大きさ, 数, 腫瘍の分散性, 異型度, 深達度と膀胱注入療法の有無の10因子で実測非再発率を算定し比較を行った. 全症例の非再発率は1年81.7%, 3年60.7%, 5年53.8%, 8年14.2%であった. 因子別の5年非再発率は腫瘍の大きさで1cm以下が72.6%, 1cm以上が47.8% (p=0.027), 腫瘍の数で単発が66.3%, 多発が37.1% (p=0.004), 腫瘍の分散性で単一部位が61.4%, 多部位が23.5% (p=0.002), 異型度でG1以下が71.6%, G2以上が47.8% (p=0.001), 深達度でTaが69.9%, T1が44.4%(p=0.001) でそれぞれ統計学的有意差を認めた. しかし, 年齢, 性別, 主訴別, 形態, 膀胱注入療法の有無に関しては差はみられなかった. 表在性膀胱癌の再発危険因子として大きさ, 数, 分散性, 異型度, 深達度が重要と考えられた.

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