前立腺がん検診の有効性と適切な受診間隔を検討するためのケース・コントロール研究

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  • A CASE-CONTROL STUDY ON THE EFFICACY AND THE OPTIMUM INTERVAL OF MASS SCREENING FOR PROSTATIC CANCER

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抄録

(目的) 前立腺がん検診の有効性と適切な受診間隔を検討するためのケース・コントロール研究を行った.<br>(対象と方法) 対象は1975年から1997年までに前立腺がん検診を2回以上行った34市町村の検診受診者26,270人である. この中から検診で発見された進行前立腺がん患者 (臨床病期C・D) 31人をケースとした. コントロールはケースと検診受診年月・年齢 (±3歳以内)・居住地区 (市町村) を一致させた155人 (1:5のペアマッチング) を検診受診者名簿から無作為に抽出した. ケースおよびコントロールの過去3年間の受診歴を検診受診者名簿から調査し,「受診歴あり」のものの「受診歴なし」のものに対するオッズ比を算出した.<br>(結果)「受診歴あり」の「受診歴なし」に対するオッズ比は0.36 (p<0.05) であり, 過去3年間に1度でも検診を受診すると進行がんで発見されるリスクが0.36倍に低下することがわかった. 受診間隔別の検討でも,「1年前受診」のものの「受診歴なし」に対するオッズ比は0.22 (p<0.05) と, 毎年検診を受診することにより, 進行がんへの進展を減少させる効果があると考えられた.<br>(結論) 毎年検診を受診すれば, 進行がんで発見されるリスクを有意に減少させることがわかった. 適切な検診受診間隔は1年に1度であることが示唆された.

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参考文献 (13)*注記

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