体外衝撃波結石破砕術により腸管穿孔を来した1例

  • 梶川 恒雄
    岩手県立中央病院泌尿器科 現 岩手医科大学泌尿器科
  • 野沢 立
    岩手県立中央病院泌尿器科 現 岩手医科大学泌尿器科
  • 尾張 幸久
    岩手県立中央病院泌尿器科 現 岩手県立宮古病院泌尿器科
  • 藤澤 宏光
    岩手県立中央病院泌尿器科
  • 金子 卓司
    岩手県立中央病院泌尿器科 現 岩手県立大船渡病院泌尿器科
  • 野呂 一夫
    岩手県立中央病院泌尿器科
  • 高田 耕
    岩手県立中央病院泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • BOWEL PERFORATION AFTER EXTRACORPOREAL SHOCK WAVE LITHOTRIPSY
  • A CASE REPORT

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抄録

左尿管結石に対するESWLにより, 腸管穿孔を起こした症例を経験したので報告する. 症例は69歳, 男性で, 1996年3月に両側総腸骨動脈瘤に対してグラフト置換術を受けていた. 1999年2月, 左側腹部痛が出現, レントゲン検査で左尿管結石の診断となった (lt. U1, 14×8mm). 結石は骨盤部まで下降後, 下降しなくなったため, 入院の上, 3月30日, 腹臥位でESWLを施行した. 終了直後より左下腹部痛を訴え, 鎮痛剤で治まらないため, 3月31日, CTを施行した. 明らかな異常所見を認めなかったが, その後も痛みが続き, 4月2日には, 筋性防御も認めるようになった. 再度CTを施行したところ, free air, イレウス所見を認めたため, 緊急手術を施行した. トライツ靭帯から130cmの空腸に, 2mm大の穿孔を2ヵ所認め, ESWLによる腸管穿孔と診断した. 術後経過は良好で, 4月23日, 退院となった. ESWLによる腸管穿孔は, 極めて稀な合併症であるが, 腸管の癒着の可能性のある既往歴, 腹臥位でのESWLは, リスクファクターと考えられた.

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参考文献 (8)*注記

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