Hydroxypropylcellulosumを用いたpeplomycin膀胱内注入療法 : 薬物動態解析による評価
書誌事項
- タイトル別名
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- INTRAVESICAL CHEMOTHERAPY WITH A INSTILLATION OF A NEW PREPARATION USING PEPLOMYCIN EMULSION IN HYDROXYPROPYLCELLULOSUM
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抄録
最終濃度3,000μg/mlになるように作成したHPC-PEPを8例に,Saline-PEPを3例に投与し,両群における,1)尿中PEP濃度の経時的推移,2)PEPの血液内への移行,さらに,3)尿中PEP濃度を用いた薬物動態力学的パラメーターの違いを検討した.HPC-PEP法では,尿中PEPの時間的推移は投与後6時間後では61.0μg/ml(15〜90μg/ml),12時間後では16.4μg/ml(0.09〜73μg/ml),1日目では18.3μg/ml(0.3〜105μg/ml),2日目では13.1μg/ml(0.24〜50μg/ml),3日目では6.25μg/ml(0.07〜53μg/ml),4日目以降は平均値0.03μg/ml以下でいずれも測定限界以下であった.一方,Saline-PEPを膀胱内へ注入した場合,投与後3時間後では0.05μg/ml(0.04〜0.06μg/ml)を示したが,それ以降3日目まですべて測定限界値以下であった.薬物動態力学理論で解析すると,Saline-PEP法では半減期が平均4.18時間であるのに対し,HPC-PEP法では平均51.0時間と有意に延長しており,PEPの膀胱内での貯留性が示唆された.以上より,HPC-PEPの膀胱内注入療法は薬物動態の検討より,従来のSaline-PEP法より優れている臨床的に有用な膀胱内注入療法と考える.
収録刊行物
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- 日泌尿会誌
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日泌尿会誌 79 1765-1768, 1988
社団法人日本泌尿器科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1571135652456860288
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- NII論文ID
- 110003091829
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- NII書誌ID
- AN00196577
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- ISSN
- 00215287
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles