尿路結石症における Sodium Pentosan Polysulphate (SPP) 療法の研究

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タイトル別名
  • STUDIES OF SODIUM PENTOSAN POLYSULPHATE (SPP) THERAPY ON THE URINARY STONE DISEASE
  • Experimental Studies on the Calcium Oxalate Crystallization and the Effects in Healthy Subjects
  • 蓚酸カルシウム結晶に対する作用の実験的研究並びに正常人における投与効果の検討

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抄録

蓚酸カルシウム結石に対する sodium pentosan polysulphate (SPP) の抑制活性について以下の3点から実験的検討を加えた. 1) 蓚酸カルシウム結晶形成, 凝集及び成長に対する抑制活性. 2) ラット実験結石モデルにおけるSPPの効果. 3) ヒトにおけるSPPの投与効果について, 尿中蓚酸カルシウムの metastable limit の変化, および蓚酸カルシウム結晶成長に対する尿の抑制活性の変化.<br>結果は以下の通りであった.<br>1. Aggregometer を用いて測定した蓚酸カルシウム結晶形成は, 1mM以上の濃度のSPPの添加により抑制されることが確認された.<br>2. Coulter counter を用いた結晶凝集抑制活性の検討では, SPPは低濃度 (0.02μM) から抑制活性を示した.<br>3.〔14C〕を用いた seeded crystal 法による結晶成長の面での検討では, SPPは低濃度から濃度依存的に抑制活性を示すことが確認された.<br>4. Ethylene glycol (0.4%) の投与されたratの腎尿細管内に誘発される蓚酸カルシウムの結晶沈着は, SPPの筋肉内投与 (30mg/kg/day, 60mg/kg/day) により抑制されることが期待された.<br>5. 健康成人男子5名でSPP250mgを1日2回5日間経口投与し, その前後に24時間尿を採取した. 各尿において, 尿中蓚酸カルシウムの metastable limit, および蓚酸カルシウム結晶成長抑制活性の測定を行い, 前者ではSPP投与後に上昇する傾向が見られたが, 後者では一定の傾向が得られなかった.

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