19.縦隔洞気腫を生じ呼吸困難で急死した肺癌の1剖検例 : 第48回肺癌学会関東支部会

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抄録

患者は63才,男.昭和47年2月頃より咳嗽,5月11日38℃に発熱,咳嗽,喀痰と共に喘鳴,呼吸困難,チアノーゼ出現、18日に緊急入院した.入院時頸部,前胸部に皮下気腫を認め,白血球14,800,血沈72/60,胸部レ線で右下肺に円形陰影と縦隔洞並び頸部に気腫を認め,動脈血ガス分析で低O_2血症,呼吸性アシドージスあり.気管切開,O_2吸入,抗生剤等の治療にて呼吸困難改善せず入院第4病日に死亡した.剖検にて右肺S_10。に原発した腺癌で,気管分岐部リンパ節に7.5.×5×5cm大の大きな乾移巣あり,一部は連続性に右主気管支に突出,強い狭窄をおこしていた.縦隔洞気腫の発生経路については肉眼的に穿孔部は不明でヨ右主気管支の癌転移巣の壊死部よりもれたか,または右肺の問質性肺気腫が原因がと推定される.

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 14 (2), 135-136, 1974-06-25

    日本肺癌学会

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