下丘細胞の時間応答特性に関する計算モデルの提案

  • 牧 勝弘
    東京工業大学大学院総合理工学研究科:(現)日本電信電話(株)NTTコミュニケーション科学基礎研究所人間情報研究部
  • 赤木 正人
    北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科
  • 廣田 薫
    東京工業大学大学院総合理工学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • A computational model for temporal response pat-terns of neurons in the inferior colliculus
  • カキュウ サイボウ ノ ジカン オウトウ トクセイ ニ カンスル ケイサン モデル ノ テイアン

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抄録

中脳に位置する下丘中心核(Icc)において観察される複雑かつ多様な時間応答パターンの模擬が可能な計算モデルを提案する。Iccに関する生理学的,解剖学的実験報告に基づき,下位の神経核細胞(蝸牛神経核腹側核,又は外側毛帯核腹側核)からIcc細胞への興奮性入力とそれよりも時間的に遅れた抑制性入力という単純な神経回路により,計算モデルを構成する。モデルを用いたシミュレーションの結果,本計算モデルは,生理学的応答特性に基づいて詳細に分類されたIcc細胞の時間応答パターン,すなわち,chopper,pauser, sustained,onset,on-sustained型,及びそのサブタイプ全10種類を再現できることが分かった。この結果は,Iccにおいて観察される時間応答パターンは複雑かつ多様であっても,それを生じさせる神経回路は単純であるという可能性を示している。

収録刊行物

  • 日本音響学会誌

    日本音響学会誌 60 (6), 304-313, 2004

    一般社団法人 日本音響学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (17)*注記

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