肺アスペルギルス症が先行した肺へん平上皮癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Squamous Cell Carcinoma of the Lung Preceded by Pulmonary Aspergillosis

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抄録

背景. 今回我々は, 間質性肺炎と糖尿病を背景とした肺アスペルギルス症の診断後に同部位に肺扁平上皮癌と診断した症例を経験したので報告する. 症例. 81歳男性. 2000年3月に胸部CT上左S9の浸潤影を指摘され, 肺アスペルギルス症と診断された. Itraconazole内服で経過観察中, 2002年11月頃より浸潤影が急速に増大し, 2003年3月当科に入院した. 経気管支生検にて肺扁平上皮癌と診断, 左下葉切除を施行した. 病理組織学的には, 腫瘍壊死空洞部分にアスペルギルスが存在し, その周囲には間質性肺炎 (nonspecific interstitial pneumonia: NSIP, group 2) を認めた. NSIPによる既存の嚢胞内に腐生性にアスペルギルスが感染し, その後肺癌を発症したと推測された. 結論. 肺アスペルギルス症が抗真菌剤に反応しない場合, 肺癌が合併する可能性を常に念頭におくべきである.

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 45 (2), 145-150, 2005

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (16)*注記

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